「徳川慶喜(七)禁門の変」

こんにちは。左大臣光永です。今朝、仁和寺の駐車場の前を通ったら桜がやや散りはじめで、ひらひら花びらが待っていました。朝の薄明の中、桜をみるのはなかなかの気分です。

これからの晩春の季節、仁和寺では遅咲きの「御室(おむろ)桜」が咲くので、そちらも楽しみです!

本日は、「徳川慶喜(七)禁門の変」です。

元治元年(1864)7月19日、長州の急進的尊王攘夷派は京都に押し寄せ、御所の各門で会津・薩摩などと戦闘が行われます。

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長州、進発

元治元年(1864)長州、巻き返しをはかる

「風の強い日に御所の風上から火をかけ、中川宮を幽閉・孝明天皇を長州へ連れ去る」

同士古高俊太郎、新選組に捕らえられ口を割る→計画露呈

元治元年(1864)6月5日、新選組、三条小橋西入るの旅籠屋「池田屋」に長州人はじめ尊王攘夷派志士を強襲

肥後の宮部鼎蔵、長州の吉田稔麿はじめ尊王攘夷派の大物志士が討ち取られた。

長州、紛糾

来島又兵衛、久留米藩士真木和泉守…急進派
vs
周布政之助、桂小五郎、高杉晋作ら…穏健派


急進派が勝つ
久坂玄瑞はぎりぎりまで平和的解決を望んだが…

「攘夷の儀については始めより成算のある事にてはこれ無く、国体の立つ、立たざる、大義の欠、不闕とにこそあれば」

福原越後・国司信濃・益田右衛門介ら三家老が長州を出発
久坂玄瑞、来島又兵衛、久留米藩士真木和泉らつづく

三方から京に迫る

元治元年(1864)6月末。
長州勢、山崎・伏見・嵯峨三方から京に迫る

要求
・三条実美はじめ尊王攘夷派の公卿、
藩主毛利父子の赦免。
・国論の攘夷への転換

※倒幕をめざしていたわけではない

一橋慶喜、拒否

薩摩・会津・桑名などの藩兵に命じて京都の守りを固める

堺町御門

長州勢、鷹司邸へ
久坂玄瑞、関白鷹司輔煕に歎願
→無視される

会津藩兵に新選組が合流

正面の鷹司邸内には大勢の長州人

会津藩兵、鷹司邸に火矢
慶喜、付近の民家に火を放つよう命じる

久坂玄瑞、寺島忠三郎とともに自決

長州人は寺町御門へ
→肥後藩兵と会津藩・新選組が挟撃

禁裏に着弾
13歳の祐宮(さちのみや)は卒倒

蛤御門

会津、長州、薩摩、
多数の死傷者を出しながらも…
長州兵を御所の外側にまで追い出す
今日も残る弾痕

遊撃隊 来島又兵衛、
薩摩の川路利良の狙撃→
自害
清水谷家の椋の大木?

乾御門

薩摩藩が警護
西郷隆盛の指揮

下立売御門(しもたちうりごもん)

大垣藩兵が守護
いったん長州に奪われる

会津藩兵が門の内から、薩摩藩兵が門の外から、挟撃

長州勢、門を放棄して、撤退

その時、慶喜は…

慶喜、松平容保からの一報により衣冠をつけて一騎駆で参内
長州の斥候二人に二度、並走
天皇から指揮を一任される
菊亭家(藤原北家西園寺流)で具足をつける
御所九門を巡視

中立売御門を破って来島又兵衛隊が侵入
慶喜、歩兵隊を送る

朔平門をすぎたところで
長州の銃撃。乗馬負傷
(『徳川慶喜公伝』)

緊急避難の名目で、親長州派の公卿、孝明天皇を連れ出そうとする
慶喜、一騎駆けにて参内
「会釈もなく昇殿」
「主上の御袖を引き留め」た

「誠に無双の豪傑とあい見え候」(小松帯刀の証言)

「会津侯が病をおして参内し、天皇の袖を引きとどめた」(永倉新八の手記)

山崎追撃戦

蛤御門、堺町御門、寺町御門、中立売御門、乾門…
長州勢は破られ、撤退
潜伏先の民家に隠れる

長州勢、山崎方面へと撤退

神保内蔵助(じんぼくらのすけ)率いる会津藩兵と新選組、山崎方面へ出撃

久留米藩士・真木和泉守以下十七名、天王山にて
激戦の末、陣小屋に火を放ち、切腹
十七烈士

長州、朝敵となる

どんどん焼け

3日間燃え続けた
公卿の家数十家、家屋二万八千戸あまりが焼けた
賀茂河原は避難民に満ちた
六角獄で平野国臣、古高俊太郎はじめ政治犯30名が斬られた

まとめ

長州、京都御所に乱入するもことごとく破られ、朝敵となる

禁門の変について

長州によるテロ

「尊王攘夷」の矛盾・限界

池田屋事件の新選組とはまったく意味がちがう

久坂玄瑞や真木和泉らのひたぶるな熱意は一種感動をよぶが…

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解説:左大臣光永