「徳川慶喜(六)慶喜、京都に地盤をきずく」
桜が満開でした!すずめたちが楽しそうに、枝から枝へ飛び移り、桜の花びらをついばんでいました。神泉苑のすずめは他よりも警戒心がうすく、人間の顔をみても逃げないので、かわいいです。
本日は、「徳川慶喜(六)慶喜、京都に地盤をきずく」です。
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前回は、慶喜が江戸と朝廷のいたばさみで苦労する、という話でした。今回も慶喜はたいへん、苦労します。
再上洛
文久三年(1863)11月26日、
慶喜、将軍家茂にさきがけ再上洛
以後、鳥羽伏見戦まで京坂にとどまる
慶喜の京都時代
宿所
東本願寺→神泉苑町の小浜藩主酒井忠義邸
なぜ慶喜は4年(1863末-1868正月)も江戸にもどらなかった?
幕閣からの嫌疑
京都に地盤を築いていった
12月31日、朝議参預を拝命
松平容保、松平春嶽、伊達宗城、山内容堂とともに
参預会議に参加
参預会議とは?
朝廷の任命により有力大名経験者から構成された合議制会議
朝廷、幕府の両方の意思決定にかかわる(3ヶ月で瓦解)
当面の課題
・長州および七卿の処分
・横浜鎖港問題
横浜封港問題
島津久光「ムリ。ぜんぶ開港しないとやられる」薩英戦争の経験を経て
慶喜ら「横浜一港だけを閉ざす。函館長崎は開港」
ケンケンガクガク…
文久4年(1864)1月15日、家茂上洛
孝明天皇→家茂
「朕は無謀な攘夷は望まない」★★
「将軍は参預諸侯と協力して事にあたれ」幕藩体制の否定
慶喜、参預会議の裏に薩摩(島津久光)が糸を引いていると察知
薩摩の天皇独占を警戒
↓
元治元年(1864)3月、(2月20日改元)
慶喜、参預辞職。参預会議解体
↓
薩摩(島津久光、大久保利通、西郷隆盛)
「ぐぬぬ…慶喜、やりおる」
薩摩、孤立。単独で富国強兵
禁裏御守衛総督・摂海防禦指揮(せっかいぼうぎょしき)に就任
慶喜、将軍後見職も辞職
元治元年(1864)3月、
禁裏御守衛総督(禁裏守護)・摂海防禦指揮(大坂湾防禦)に就任(転職)
世間「所司代も守護職もあるのに??」
幕府は慶喜を嫌っている
ゆえに朝廷と結びつきを強めようと
幕臣ではなく朝臣となる
御所警備プランの作成
諸大名でなく旗本に御所九門の警備をさせる
諸藩の京都政界への影響力をへらす意図
↓
諸藩は京都守護を解任され、
禁裏御守衛総督・京都守護職・京都所司代による皇居内外の警備がはじまる
現同志社大学今出川キャンパスあたりの土地を二年間の条件つきで
伏見宮から借りる
京都における一会桑の拠点
慶喜への疑い 天狗党の挙兵
元治元年(1864)3月末、
天狗党、筑波山に挙兵(藤田小四郎)「斉昭の意思を継いで」
武田耕雲斎「幕府は横浜鎖港を即時実行せよ」
藩内各所で軍資金調達を名目とした略奪
↓
京都をめざす。慶喜をたよりに
慶喜は嘆願書の受取を拒否
天狗党、加賀藩に降伏
「慶喜は天狗党と通じている」と幕閣内に噂
長州、巻き返しをはかる
長州藩「上洛させろ!三条実美らを復権させろ!」
の動きが高まる
↓
元治元年(1864)6月5日、池田屋事件
長州藩士をふくむ攘夷派が三条小橋池田屋に潜伏。新選組が強襲
長州「ゆるせん!」
↓
長州藩兵、と
山崎・伏見・嵯峨から京にせまる
長州側、幕府側の配置
慶喜「あうあう…話し合いを…」
↓
禁裏御守衛総督・摂海防禦指揮としてそうも言っていられなく
↓
長州と対抗するため、会津・桑名・加賀・彦根・薩摩などと連携
6月27日、参内
慶喜「長州のやり方は不当。長州に対し撤兵の朝命を」
薩摩(西郷)「いかにも、もっとも」
時間かせぎ
薩摩・土佐・越前など大藩の協力
↓
7月18日の朝議
慶喜「長州を、断固追討」
孝明天皇「許可する」
まとめ
・慶喜、京都で地盤を築こうとする
・慶喜、薩摩の政界進出をはばむ
・慶喜、幕府から嫌われる
・長州、巻き返しをはかり三方から京にせまる
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