法然の生涯(十)南都炎上

こんにちは。左大臣光永です。
3月ほど前にスマホを買ったんですが、ほとんど使わなくなってきました。
買った当初はパソコンのように、どんな新しい世界が開けるか、
ワクワクしていたんですが…
どうもパソコンと勝手が違いますね。
楽しみどころがどこにあるか、わかる方は教えてください!

まずお知らせです。発売中の商品「李白 詩と生涯」を、
近日「再」発売します。新規の朗読をくわえ、
色々とパワーアップしてお届けします。
以前お買い上げいただいた方には
無料でダウンロードしていただけますので、お楽しみに。
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さて、本日は、
「法然の生涯」第十回「南都炎上」です。

▼音声が再生されます▼

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▼前回までの話▼
法然の生涯(六)王舎城の悲劇
法然の生涯(七)アジャセ王子の出生
法然の生涯(八)凡夫救済
法然の生涯(九)吉水

平家と興福寺

治承4年(1180年)5月。打倒平家を目指した以仁王のクーデーターは、失敗に終わりました。以仁王に加担した源三位入道頼政は宇治の平等院で討たれ、以仁王は奈良へ向かう途中、平家軍に追いつかれ、射殺されました。

さて以仁王に味方したのが大津の三井寺と奈良の興福寺です。

「以仁王が破れた今、平清盛は怒り狂って報復に出てくるに違いない!」
「どうすればいいのだ!」
「やられる前にやってしまえ!」

そんなことを言って、南都(奈良)では興福寺の悪僧たちが緊張を高めていました。

平清盛は、しかし、すぐには興福寺を攻撃するつもりはありませんでした。あくまでも武装解除を勧告することを目的に、60名の検非違使を奈良につかわします。

「よいか!入道相国さまのご命令である。
けして攻撃してはならぬぞ。
敵が仕掛けてきても、こっちから攻撃してはならん」

清盛の命令でつかわされた60名の検非違使は、武器も持たず、鎧も着ていませんでした。しかし興福寺ではそんな事情は知らず、それっ。わあっと検非違使60名をからめとっていちいちに首をはね、その首を猿沢の池のほとりに掛けました。

また興福寺の僧たちは、大きな毬に顔を描いて、これを「平相国」として「打て」「踏め」などと、はずかしめました。

南都攻撃

平清盛の怒りが頂点に達します。

「南都を攻めよ!!」

12月28日。
大将軍には清盛の五男重衡・副将軍には清盛の甥通盛あわせて4万騎が、奈良興福寺に派遣されます。

京都から宇治を通って木津川沿いに南へ下り、奈良へ入ると、興福寺方は奈良坂・般若寺二か所に陣をしき抵抗します。平家軍はこれをさんざんに攻め立てます。

馬にてかけまはしかけまはし、あそこゝにおッかけおッかけ、さしつめひきつめさんゞに射かければ、ふせくところの大衆、かずをつくいて討たれにけり。

『平家物語』「奈良炎上」

早朝からはじまった合戦は一日中続き、死屍累々。
そして夜に入って、

「火を放てッ!」

大将軍の重衡が命じます。

松明の火を民家にかけるとメラメラ…
折からの風にあおられてゴーーー…ゴーーーー!!

炎は一気に広がり、寺寺に燃え移ります

ぎゃーうわあーと、深夜の奈良の大混乱となります。興福寺、東大寺の伽藍に炎は容赦なく燃え移り燃え移り、扇を広げたるがごとく末広に燃え広がっていきます!

奈良の大仏として有名な、金銅十六丈の廬舎那仏も、熱で金属が溶け出してドローと滝のように流れ落ちます。

ワーッキャー、逃げ惑う人々。

「大仏殿の二階なら、あそこまでは火が来ないぞ。早く早く!!」

二千人あまりが階段をかけのぼって、はあ、はあ、とりあえず安心だ。
それ階段はずしといたほうがいいんじゃないか。
平家の連中が上ってくるぞ!ああそうだ、外しとこう

そして階段をはずした、その時!

猛火(みょうか)はまさしふおしかけたり。をめきさけぶ声、
焦熱、大焦熱、無間阿鼻の炎の底の罪人もこれには過ぎじとぞ見えし

さらに、炎は奈良の大仏として知られる聖武天皇御願の金銅十六丈の盧舎那仏に襲いかかります。

ゴオーーッ…そのすさまじい熱に、大仏の体が溶け流れ、御ぐしが焼け落ちました。煙(けぶり)は天にみちみちて、ほのほは虚空にひまもなく広がります。

法相宗・三論宗の貴重な経文も、一巻も残らず燃えてしまいました。犠牲者は三千五百余人と『平家物語』には記されています。

翌29日。

大将軍平重衡は南都を亡ぼして京都に帰還しました。

「でかしたぞ、重衡!」

入道平清盛は大喜びしました。しかし他の平家一門の人々の顔には暗い表情がありました。

「悪僧どもさえ滅ぼせばよかったのだ。なにも伽藍を焼くことはなかった。
これで平家は永遠に仏敵だ…」

重衡がこの焼き討ちを故意に行ったのか、
またそこまではやる気でなかったのが、過失でこうなってしまったのか
今日でも説が分かれますが…

どちらにしても、興福寺、東大寺、伝統のある仏教の聖地を
平家は燃やしてしまったわけです。

「おのれ平重衡、多くの僧を殺害し、盧舎那仏の御身を傷つけるるとは。これぞ五逆罪ぞ」
「平重衡ゆるすまじ」
「平重衡に仏罰を!」

こうして平重衡は、興福寺や東大寺の僧たちから激しく憎まれ、仏敵の第一とされることとなりました。

次回「法然と重衡」に続きます。お楽しみに。

近日 「再」発売

李白 詩と生涯
http://sirdaizine.com/CD/Rihaku01.html

以前から発売している当方のロングセラー商品です。今回、新しい詩を加えて、大幅にバージョンアップしてお届けします。中国語朗読は特に必聴です。見事な抑揚に、中国語をまったく知らなくてもウットリしてしまうはずです。以前お買い上げいただいた方には無料でダウンロードしていただけますので、お楽しみに。

本日も左大臣光永がお話しました。ありがとうございます。ありがとうございました。

解説:左大臣光永

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